【感想・レビュー】Fate/stay night [Heaven's Feel](HF)第一章
昨日2017年10月14日、遂に『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower」』が公開になりました!2004年に原作が発売されてから実に13年の時を経て満を持しての映像化、既に原作をプレイしたときの記憶も薄れつつありますが(それはそれで改めて楽しめるから良い)、公開初日に早速鑑賞してきましたのでまずは第一報を鑑賞レポートとしてまとめます。
『Fate/stay night』について
いわずもがなの方も多いかもしれませんが、一応Fate/stay nightという作品について簡単に説明しておきます。
Fate/stay nightは2004年にTYPE-MOONより発売された伝奇活劇ビジュアルノベルというジャンルに属するPCゲームで、現在も幅広く展開されているスマホアプリ『Fate/Grand Order』やTVアニメ『Fate/Zero』などといったFateシリーズのおおもとになる作品です。最近では中高生や一般向けの展開が進んでいるためその毛色はだいぶ薄くなっていますが、元々レーティングは18禁の作品で、いわゆるエロゲになります。
Fate/stay nightは過去にもアニメ化されており、作品に登場する3人のヒロイン、セイバー、遠坂凛、間桐桜のうち、セイバーを物語の中心に据えたルートの『Fate/stay night』(2006年放映)、遠坂凛が中心となるルートの『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』(2014~2015年。以下UBW)がありました。(その他劇場版も有)
そして、今回公開された『Fate/stay night [Heaven's Feel]』は3人目のヒロインである間桐桜を物語の中心に据えたルートのアニメ化となります。
劇場へ
今回は、近場の109シネマズ二子玉川で鑑賞してきました。
昨日は公開初日ということもあり、劇場内もFate関連のグッズやポスターなどが盛りだくさんでした。
立て看板?に
ポップコーンに
フィギュア付きドリンクカップにと盛りだくさんでした。
ちなみに、本作は7週連続で来場者特典を配布しており、1週目(10月14日~10月20日)の特典はポストカードセット。
こやまひろかずさんやBLACKさんなど、TYPE-MOONスタッフや本作に係わる方々によるイラスト入りになっています。
ポストカードにはもう1セット組み合わせがあり、そちらには原作の原画、そしてTYPE-MOONの代表を務める武内崇さんのイラストも入っています。
1週目だけで組み合わせが2通りあって、さらに来場者特典は7週続く。さて、一人で自力ですべてをコンプリートするとなると何回観に行けばいいんですかねぇ(遠い目)
鑑賞を終えて
※以下ネタバレを含みますので、未鑑賞の方はお気を付け下さい。
まず結果から言うと、いち原作ファンとして本当に大満足でした。
美麗な映像、迫力のアクションシーン、Fateの世界観を彩る梶浦サウンド。やはり劇場版ということもあり投入されている資金も段違いなのでしょうが、TVアニメとして放映されて当時から『すごいっ!』と言われてたUBWやFate/Zeroのクオリティを更に超えていました。
脚本は原作と比べて(といっても、プレイしたのが10年近く前なので記憶の彼方ですが)オリジナル要素が多少くわえられており、原作の後に発表された、時間軸的に過去の話になるFate/Zeroの要素を踏襲したものになっていました。なので、キャラクターのセリフや立ち振る舞い、表情なども、過去作品を知ってると『おや、これは…』と思うところが多々ありました。
また、慎二は相変わらず嫌なワカメなんですが、やはり今回の物語のキーが間桐家にもあるということで、桜だけでなく慎二の心理模写も細かくされているように感じました。
作品全体の雰囲気はこの作品内でも異質の桜ルートということもあり、そのダークな世界観は今までのFateシリーズのアニメ版よりはどちらかというと『空の境界』シリーズに近いものを感じました。戦闘シーンもそこまで多くはなく、『静』でダークな雰囲気を醸し出す、いわゆるジャパニーズホラーのような感じさえ受けました。
ただ一点、前述の通り、その内容は今までの作品の知識があることが前提となっているような演出も多く、今までまったくFateシリーズに触れたことがない人が見ると、映像やアクションは楽しめるかもしれませんが、全体として『?』となる可能性が高いです。なにせ、学校で士郎ランサーに刺される⇒蘇生⇒衛宮邸でのセイバー召喚⇒遠坂との再会までの流れが2~3分にまとめられてますから(笑)。
この部分に関してはセイバールート、遠坂ルートと共通の内容のため、過去のアニメ化でやったから、ということと尺の問題がありやむを得ず切り捨てた所になるのでしょうが、初見の人からしたら大きな障壁になるところです。なので、今回初めてFateを見る人、また初めて見ようという人を誘う場合は、事前にセイバールートか遠坂ルートの序盤を見ておくことをおすすめします。
その他、俗な感想・見どころは以下↓
・久しぶりに聴いた間桐桜(CV:下屋則子)の『先輩』voice
・言峰の麻婆シーンの忠実な再現
・原作の一枚絵を意識したと思われるカット
・死ぬシーンを収録するためだけに現場入りしたアサシン(CV:三木眞一郎)
主題歌はAimerの『花の唄』
過去作を視聴済みの方ならご存知の方も多いかと思いますが、本作の主題歌を歌うのは、UBWのOP『Brave Shine』も歌われていたAimerさん。そのハスキーボイスで、今までも様々なアニメ主題歌やCMソングを歌われている方です。
また、Aimerさんといえば数多くの有名アーティストが楽曲プロデュースを担当されていることでも有名で、過去には澤野弘之やRADWIMPSの野田洋次郎が手掛けた曲が発表されています。
そして今回楽曲プロデュースを担当したのが、本作の劇伴を担当している梶浦由記さん。アニメ関連楽曲だけではなく、一般の方からしたらNHKの『歴史秘話ヒストリア』でその梶浦サウンドを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
今回の曲は綺麗なストリングスの旋律の中に、この作品が持つダークな世界観を内包した、そんな楽曲に仕上がっています。梶浦さんがつけた歌詞も、本作を観た後にじっくり読み込むと、桜の心情を表現しているのがよくわかります。
Aimerさんの、本人曰く『ねっとり』する感じで表現されたこの曲は、この『Fate/stay night [Heaven's Feel] 』という作品にぴったりの一曲に仕上がっています。
さいごに
今回は第一章ということで、ストーリーでいうとセイバーが陰に飲み込まれたところ辺りで終わりを迎えます。第二章の公開は2018年予定。続きが気になりますが、まずは2週目以降のリピート鑑賞ですかね(笑)。
もしかしたら、また記事を追記するかもしれません。それでは。